筑波学生新聞について

筑波学生新聞は、筑波大学を拠点に自由な言論のアリーナをつくることを目指して、2026年の4月1日、有志によって創刊いたしました(創刊号はTwitterで公開いたしました)。背景となる問題意識には、筑波大学には学生が自由に声をあげられる機会が少ない、というものがあります。

筑波大学では、立て看板の設置、ポスターの掲示、ビラ配り、さらには集会までもが許可なしにはできません。その許可も、公認の学生団体でないと得られないようですから、実質的には言論の自由が驚くほど制限されていると言わざるを得ない。こうしたなかで筑波大学では、軍事研究への加担や、学長の任期上限撤廃など、大学のあり方の根幹にかかわるような「改革」が、ほとんどトップダウンで進められてきたのだと私たちは認識しています。

そこで飛び込んできたニュースが、当事者を全く無視した、学生宿舎寄宿料、留学生の授業料の大幅な値上げの決定でした。これには筑波大生たちもたくさん抗議の声をあげ、運動を作り、結果的には値上げの延期を勝ち取りました。しかしながら、筑波大学のメディアとして名高い筑波大学新聞の報道は、大学の主張をほとんど繰り返しただけでした。ここに私たちは、大学の統制から逃れ、自由に言論を形成し権力の監視を担う独立系メディアの必要性を痛感したのです。

実は、同様の試みは過去にもありました。1982年から2007年まで発刊されていた、「筑波學生新聞」です(つくばリポジトリより、過去の紙面を見ることができます)。創刊した1980年代前半の筑波大学は、自由な学園祭を目指した学生運動が盛んだったころでした。その折には、何人かの処分者も出たようです。「筑波大学新聞」との関係を「筑波學生新聞」は次のように表現しています。それは、「権力」と「反権力」、「拘束」と「自由」、「強者」と「弱者」の関係であると(2004年1月10日筑波學生新聞)。

私たちは、このような意志を受け継ぎ、かつて同じように問題意識を持ち、自由のためにつくられた「筑波學生新聞」をここに〝復刊〟いたします。かつての先輩たちが作り上げたものよりははるかに不格好ですが、今、それが必要だと考えています。

ぜひ、みなさまの温かいご支援、ご協力、そして何より学生のみなさまのご加入をお待ちしております。記事を書きたいという方はもちろん、デザインや文芸コーナーなどを担当していただける方、さらには寄稿なども大歓迎です。私たちと一緒に、自由な言論の空間を自分たちの手で作ってみませんか。
(※以上のような経緯から、私たち筑波学生新聞は、筑波大学が公式に発行する広報誌「筑波大学新聞」とは異なります。筑波学生新聞は現状筑波大学非公認です。「筑波大学新聞」はこちらからご覧いただけます。
(※私たちは、特定の政治団体、宗教団体とのかかわりはありません。)

創刊にかえて

(2026年4月1日に公開した創刊号に掲載した文章です)

知を集積し新たな価値を生み出す、我等が筑波大学の第一の存在意義はそこにある。筑波に集う諸氏よ、我が大学の建学の理念を見よ。「従来の大学は、ややもすれば狭い専門領域に閉じこもり、教育・研究の両面にわたって停滞し、固定化を招き、現実の社会からも遊離しがちであった。本学は、この点を反省し、あらゆる意味において、国内的にも国際的にも開かれた大学であることをその基本的性格とする」研究大学として筑波大が自らの存在を律してきた根拠がこれだ。管理大学の狭隘な自己認識と嗤う者がいるかもしれない。たしかにつくばへの移転を機に性格が大きく変容したことは否定できない事実であるし、自治組織なき学生宿舎・教員組織と学生組織の分離は現在まで続く悪弊であるかもしれない。しかし文部科学省の優等生としての道を実直に歩んできた筑波大に、自治を求める学生の声が皆無であったというのは行き過ぎた認識であろう。

今般、文部科学省からの運営費交付金が徐々に引き下げられ、それに伴い運営資金調達のため各大学が様々な改革を断行してきた。無論一部の改革は不利益を被る学生たちを多く生み出している。筑波大学でも、当事者を無視した寄宿料・留学生の授業料の値上げが断行されようとしている。ここに我々は、大学の統制から離れ、自由に言論を形成して権力監視の役割を担う独立系メディアの必要性を悟るに至った。

大学の措置が粛々と組織の論理で進むのに対し、個別の学生がそれぞれに散発的な意見を持つのみでは、意義ある議論が行われる可能性は低い。学内メディアとして名高い筑波大学新聞の創刊は1974年。移転の翌年である。しかし自由学園祭の要求の高まりとともに結成された筑波学生新聞では、自由な言論を通じた大学変革が模索され、2007年まで継続した。

いま大学の問題を取り上げ広範な議論を喚起するメディアの創出に際し、僭越ながら先に示した筑波学生新聞の「復刊」を期したい。かつて自由学園祭の開催を求めて当局と渡り合い、妥結を引き出した先達のひそみに倣い、日々の生活の中で不満を感じる学生の受け皿となり、言論形成の場を寄与できる存在でありたいと願う。ここに我等は、その憲章に特色ある自治精神を持つ茨城大学の学生諸君と協力し、新聞を刊行することとした。茨大学生新聞が同時に発刊するのはそのためである。本紙は年6回の発行のほか、近日中に寄宿料値上げの特別号を発刊予定である。我々の趣旨に賛同する者、大学の改革によって不利益を被る者、ユーモアある健全な批判精神を涵養したい者は、ぜひ本紙に合流してほしい。仮に本紙が自然消滅するのであればそれも良い。ただひとつ、我等のつくる筑波学生新聞が、大学の在り方に疑問を持つ後輩たちにとって一つの指針とならんことを。

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