筑波大唯一の学生代表組織、全学学類・専門学群・総合学域群代表者会議(全代会)の前議長団は、4月26日付で構成員1名を罷免、今後の全代会への関与を一切禁じていたことが、関係者への取材により明らかとなった。
罷免理由とされたのは「情報漏洩」。発端は当事者団体「筑波大学学生宿舎寄宿料増額の撤回を求める会」がディスコードサーバーで公開していた議事録の一文を全代会関係者が問題視したことによる。当該箇所では、全代会は寄宿料について大学と複数回協議を行ってきたとするものの(会のメンバーの問い合わせへの回答による)、元構成員が全代会の内部資料を見る限りで協議を行った形跡がないという旨が、「××さんが確認した内部文書。その内容は全代会の回答と食い違う」という一文で記されていた。実際に内部文書の中身などを共有したわけではなかった。罷免に至るまでの審議は全て非公開で、秘密裏に行われた。
議長団への疑問 指摘だけで「情報漏洩」に
「撤回を求める会」メンバーによれば、議事録の該当箇所は、当該構成員との雑談のなかで知った内容を他メンバーに共有した時のもの。会は不定期で集会を開催し、大学に申入れ中の交渉や今後の方針を協議していた。議事録は備忘録として集会の際に作成していたもの。メンバーは「『協議なんて資料見たこともない』という程度の雑談が、本当に情報漏洩になるのか」と処分の妥当性に疑問を呈す。
罷免された構成員は以前から寄宿料値上げの方針に反対しており、周辺物件の家賃や借地借家法の観点から、今回の値上げに法的不備がある可能性を指摘していた。本紙の取材に対し、「罷免には驚いていない。なんでも秘匿する全代会の体質に問題がある」と話す。本紙は全代会にも取材を申し込んでおり、近日中に報道予定。
幹部「罷免後は全代会に関与することを認めません」
本紙が入手した罷免通告には「罷免後は全代会に関与することを認めません」という言葉があった。前議長団は、再三の警告にもかかわらず当該構成員が漏洩を繰り返したとするが、構成員は注意は一度のみで警告も「今後の活動が難しくなる」という曖昧なものだと主張しており双方の認識は異なる。全代会は、各学類から選出された代表と常任委員会、及び3名の議長団から構成される。罷免された構成員は、全代会の組織運営を定めた「内規」第24条が定める「常任委員」に該当し、その罷免は「議長が全代会の意見を聞いて」行うとある。常任委員の任命は学類等代表の推薦に基づくため、罷免に際して必要な意見は学類等代表から提起される必要がある。しかし、罷免手続きは「全代会へ報告・承認を得るフローを採っ」たと通告されたのみで、それ以上の説明はなかった。
現在も議長団は、大学との信頼関係の維持を理由に、寄宿料に関する情報は「匂わせる行為」ですら機密保持に反するとし、構成員にその徹底を求めている。(井守矢守)
最初の「情報漏洩」はXでの情報訂正
前議長団のいう最初の「情報漏洩」とはどのようなものだったのだろうか。前議長団が「警告」を行ったのは、罷免された元構成員によるX(旧Twitter)の発信が発端だった。元構成員は、値上げ発表直後の今年1月の時点で、学生の入居許可期間が年度をまたがっている場合、翌4月からの値上げが明確に契約違反に値することに気づき、周知のためにⅩでこのことを発信していた。該当するのは、2年単位で契約するグローバルヴィレッジ入居学生や、秋学期に入学し9月末に契約が終了する留学生たちだ。
ところがその後、全代会に宛てた大学のメールで、26年4月に入居許可期間が更新されない入居者については、そのタイミングでの値上げが適用されないことが判明した。そのため元構成員は、「入居許可期間中での値上げはない」とXで情報を訂正し、誤った情報を流したことを謝罪した。
しかし、元構成員によれば、全代会前議長団は、この「入居許可期間中での値上げはない」という訂正の発信を「情報漏洩」だとし、繰り返すなら「今後の活動が難しくなる」と注意したという。(天久保さくら)
(この記事は、2026年7月23日に公開したものを改めたものです)