寄宿料値上げの根拠のひとつである全居室へのエアコン設置。移行期間を念頭に置かなかった大学の案内や、全代会の成果欲しさの発信などを取り上げてきた本紙に、オープンキャンパスへの参加者から情報が寄せられた。
7月25日と26日の2日間、オープンキャンパスに合わせ宿舎公開が開催、受験生や保護者に宿舎が公開された。受験生のAさんは保護者と来場し、興味本位で、かねてより本紙が報道していたエアコンを確認してみたところ、品番は「ASAH226T」(ゼネラル社製(旧富士通ゼネラル))だったという。Aさんは「業務用なのか無骨な見た目だった」と振り返る。
現在宿舎では、年度途中で希望者に向けてエアコン設置が進められている。希望者が支払わなければならない費用は月額2,500円、通年で支払うと、年間3万円となる。では、今後設置が進むエアコンに対して、この金額は正当なのだろうか。法令が定めるエアコンの減価償却期間は6年だが、該当品番の取扱説明書では10年の耐用年数が想定されている。本紙の調査によると、市場価格は最低で5万弱、最高価格はばらつきがあるが、28万円程度だ。希望小売価格は設定されておらず、物価変動等に対応して価格が変動するオープン価格を採用している。
当事者団体「筑波大宿舎値下げ運動推進本部」は、本紙の取材に「月額2,500円という費用設定は、エアコン購入や設置工事の相場と比較して著しく過大です。大学が業者にぼったくられているのか、大学が学生をぼったくろうとしているのかは分かりませんが、懸念すべきです。学内で宿舎向けにレンタルエアコンを提供している業者は、新品のエアコンレンタルで設置・取外しの費用を含め初年度3万円、次年度以降は1万円や数千円へと減額しています。民間業者が利益を確保した上でその価格を実現しているのに、非営利の国立大学法人がなぜ初年度工事費を含む水準のまま毎年3万円を一律に徴収し続けるのでしょうか」とコメントしている。
算定根拠については「設置費用の概算は機種選定すら経ずに決められたようです。機種すら決まっていないのになぜひと月分の料金が算出できるのか理解に苦しみますし、算定根拠が薄弱であれば、受け入れられるべきではありません。さらに他費目の値上げが役員に却下された直後に突如エアコン設置案が浮上したようです。こうした経緯に鑑みれば、予め設定された値上げ目標を達成するための『帳尻合わせ』の可能性もあります」と大学の対応の不誠実さを指摘する。 (一の矢兵太郎)