全代会が構成員を罷免した問題で、当事者団体「筑波大学学生宿舎寄宿料増額の撤回を求める会」は7月18日、全代会に抗議文とともに質問状を提出していた(全代会による構成員罷免問題の詳細は、「筑波大全代会 宿舎値上げ反対派を「情報漏洩」理由に罷免」を参照)。8月4日に「撤回を求める会」は公式SNSを更新、全代会からの返答状況を公開した。質問状は▼全代会が議事録を問題視するに至った経緯の開示、▼協議状況の公開を要望するものだった(ページ下部に全文を掲載)。
全代会は、罷免の根拠となった「撤回を求める会」の議事録を確認するに至った経緯について「罷免された学生の存否は回答を差し控える」とし、また協議状況に関する情報については昨年1月の決議を示しているが、「撤回を求める会」はこれらの返答について不誠実だと反発している。なかでも二つ目の回答については、「説明会を通じて学生が納得したのかどうか、客観的に判断できるものではない」と反論、加えて「共催の全体対話の結果を踏まえないのは不自然だ」と指摘している。
SNS上で「全代会は人事上の問題を返答できないからでは」という反応があったことについて質問した本紙の記者に対し、会の運営メンバーのひとりは「それなら文字通り『人事上の問題』と言えばいいのであって、理由なしの回答拒否は不自然。事実関係の認定そのものをごまかしているように受け取られても仕方がない」と語った。
「撤回を求める会」は、メンバー間での協議がまとまり次第、再度質問のためにメールを送付する予定だという。(井守矢守)
〈筑波大学学生宿舎寄宿料増額の撤回を求める会による全代会への抗議文・全文〉
1 年値上げ延期の報道が出ている寄宿料増額に関し、貴団体の対応について看過できない事態を確認しました。5月11日の集会で行った協議を踏まえ、以下に抗議文を提出します。
寄宿料増額に関する情報開示について:2026年2月以降、筑波大学新聞や全代会公式ホームページでは、全代会が寄宿料増額に関して大学と協議の場を設けたことが告知されていました。3月23日の代表の学生による問い合わせに対し、協議は1月6日、1月28日、3月2日、3月24日に行われたとの回答を受けています。しかし、該当日の全代会の議事録には、寄宿料に関する言及はほとんどなく、全代会内部で状況共有が図られた形跡もない可能性が指摘されています。基本的に入居学生は全代会の回答が事実であるかどうか確認する術を持ちません。他ならぬ全代会が不透明な情報開示しかしていないことを深く憂慮します。
全代会構成員への罷免措置と協議の方針について:当会は、以上の可能性を指摘した全代会メンバーが「情報流出」を行ったとして罷免措置を受けたことを確認しています。緊急性を理由に議長団が決定した措置が、全代会の規約(内規第24条第2項)が定めるところの正当な手続きであるかどうかも議論の余地がありますが、この度罷免を受けた全代会構成員は当会メンバーでもあります。全代会構成員としての行動規範と学生個人としての行動規範の区別は不明瞭です。今回のような過重な処罰を、当会は学生の言論の自由を制限しかねないものとして憂慮します。5月11日の集会の結果、当会は以下の結論を得ました。罷免事由の「情報流出」は、そもそも全代会が十分な情報開示を行わず、今後の方針を全学的議論に付すことなく、議長団の決定のみで進めていたために起きた事態であると認識しています。代表を選出していない大学院生や留学生にも関係する重大事案については、目指すべき妥結点や協議の方針を、全学的議論に付して決定するべきと考えます。
以上のように「全学生の代表」を謳う全代会が、学生への発信とは裏腹に実質的協議を進めなかった可能性があることに当会は不信感を募らせています。また全代会に代表者を選出していない学生にも関係する寄宿料等の重大事案に、全代会議長団しか関与できない現状にも同様に不信感を覚えています。一部の学生の意見を受け入れるわけにはいかないのであれば、そもそも全学の多数意見とは何かを見極めながら行動方針を決定するべきです。今回の罷免措置は過重な処分であるばかりか、当会への弾圧行為となりかねないことをこの場で指摘しておきます。
〈筑波大学学生宿舎寄宿料増額の撤回を求める会による全代会への質問状・全文〉
①全代会が入手した議事録に関する質問にご返答ください:当会の議事録を、全代会が当会への断りなしに参照していることは不可思議です。当会が行った集会の議事録は範囲を限定せずに公開しているものでありますが、今回のように外部への公開を念頭に置いたものではなく、また会話をその場で書き留めたもので文脈や内容の判断が明瞭なものではありません。このような不明瞭な資料である議事録を以て罷免の判断に使用するのは、当会の意図するところではありません。全代会が外部組織である当会の資料を無断で利用するに至った経緯をご説明ください。全代会が罷免事由に足ると判断した議事録の該当部分に関しては、当会は問い合わせに応じる用意があります。
②入居学生への情報開示および寄宿料に関する協議についてご返答ください:
大学との協議について情報を開示してください:1月6日、1月28日、3月2日、3月24日に実施されたとする協議の場で、何を議論したのか開示してください。学生宿舎の運営に学生が関与できない以上、大学と学生には情報の非対称性があります。寄宿料増額が妥当か判断できるような情報提供に努めることが全代会の存在意義のひとつであるはずです。
全学的な意見集約を経てから協議の方針を決定してください:全代会が目指すのは、値上げの撤回でしょうか、値上げ幅の減少でしょうか。発表から5か月以上経過した今も、全代会の方針は明らかではありません。値上げに関して、全学アンケート等を用いて、全代会が取るべき方針を決定するべきです。
全代会はあくまで学生自治の理念に即し、学内規則に基づいて協議を進めていると認識しています。全代会による当事者以外の機密保持を肯定する法的根拠がなく、また法的に交渉主体であると認められない以上、全代会は学生の意見集約および学生と大学の橋渡しに努めるべきです。 全代会が掲げる、「全学としての意思形成をより意味のあるもの」とする「学生一人ひとりの関与」が、議長団の専権事項ではないことを信じています。全学的意思形成が容易ではないことを深く理解しつつ、全代会がその重責を全うされることを心より期待しています。